国家戦略特区 恣意的な事業開始期限設定の実態

特区での獣医学部設置について18年4月開学と期限が切られたことには多くの人が疑問を持っている。特区のスピード感という話で片付けられるのか。

この件については、論より証拠。今更と思うかもしれないが、下の一覧表を見てほしい。

これまでに国家戦略特区で行われた事業者公募の要項(別紙)から設定された期限を拾って一覧にした*1。なお、「国家戦略特別区域における国家戦略特別区域法第19条の2(国家戦略特別区域創業者人材確保支援事業)に定める創業者の公募」については、一覧に含めていない。また、表は長いので4分割している。

この表から、特定の事業(獣医学部、医学部、一部の特区での農業関連事業)に係る期限が恣意的に設定されたことは明らかである。

2015年11月12日(表真ん中あたり)の東京圏公募では、医学部設置事業の他、公園内保育所設置事業についても募集があった。医学部設置の方は、2017/4開学という期限が付されているが、公園内保育所設置については、期限が紋切型の2020年までとなっている。当時2017年度末までの待機児童ゼロが政府目標として掲げられていたことを考えると、公園内保育所設置事業の方が喫緊性は遥かに高そうだが、期限はそのように設定されていない。これひとつとっても、事業の喫緊性とは無関係に期限が設定されていることがわかる。

農業関連事業では、特に、2014年5月21日(表最下方)の新潟市と養父市の期限の違いに注目してほしい。同日公募・同事業でありながら、新潟市の期限が2015年度末までとなっている一方、養父市では期限の設定がないのだ。

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