学校法人と営業の自由

国家戦略特区ワーキンググループ座長・八田達夫氏は、医学部や獣医学部の定員増加を認めない文科省告示は営業の自由を規制しているから憲法違反だという*1。それをそのまま復唱している人もいる。

営業とは、営利を目的として事業を営むことである。

私立学校法の定める学校法人は、公益を目的として事業を営む公益法人、非営利団体である。補助金として多額の公金をもらって初めて事業が成り立つのであって、そもそも営業の自由を主張する立場にはない。

営業の自由という観点から医師や獣医師を養成する学校を創りたいのであれば、医師・獣医師国家試験を司法試験のような仕組みとする規制改革を提案し、それを実現させた上で、補助金を一切もらわない医師・獣医師養成予備校を開くというのが正しいアプローチだ。もっとも、まともな医師や獣医師の養成にかかる設備投資を考えれば、そのような予備校の黒字経営が不可能に近いことは誰の目にも明らかだろう。

文科省告示は、営業の自由を規制するものではない。