私の検証記事について、この場ではないが、マニアックすぎるというコメントを頂いた。うーん、そうなのか…そうかもしれないけど…
私の頭にある構図は、割と単純なものだ。ただ、そこに辿りつくまでの作業は、確かにマニアックだったかもしれない。
ということで、本日は、
加計疑惑の構図(私説)
加計優遇のため、構造改革特区の運営が歪められ、利用された。
今治の提案時から始まった「国家戦略特区の提案を構造改革特区の提案とみなして取り扱う」という実務。この「みなしの取り扱い」が巧妙に利用され、文科省が1年3ヶ月も検討を放置していたというストーリーが造られた。
実際には、この空白期間中、文科省との折衝は構造改革特区の方で行われていた。そして、早々に今治の構造改革特区提案(みなし)は文科省から否定的回答を受けた。しかし、内閣府がそれを無視して回答から約1年後に国家戦略特区に議論を戻し、諮問会議が強引に規制改革を決定した。「みなしの取り扱い」は、丸ごと無かったことにされた。
これが大まかな構図である。書いてみてわかったが、私説としたが、ほぼほぼただ事実を並べただけだ。
なお、「みなしの取り扱い」自体は、国家戦略特区法にも基本方針にも最初から記載があり、違法でも不正行為でもない。なのに隠している。それが全てを物語っている。
さて、本日の終わりに、私がずっと気になっている素朴な疑問を1つ。
7月4日の会見で、山本大臣は、今治と京都のどちらで獣医学部設置を認めるのか決定する際、事業の早期実現性の観点から両者の提案内容を比較・議論したと説明した。「具体的には、事業の早期実現に必要な専任教諭の確保の状況(中略)などの観点から議論を行った」そうである*1。
しかし、専任教諭を集めていたのは、今治ではなく、加計学園である。なぜ、まだ公募すらしていない段階で、加計学園の専任教諭の確保状況が今治の評価に含められるのか。自ら「加計ありき」で選定したと暴露したようなものだと思うが。
*1:http://www.cao.go.jp/minister/1608_k3_yamamoto/kaiken/2017/0704kaiken.html 山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月4日